【大人の社会見学】バクザン省で見た巨大アパレル工場、Made in Vietnamはここから
2019.08.03
メイドインベトナムを訪ねて、ハノイの北部バクザン省(Tỉnh Bắc Giang)へ
「大人の社会見学」とは書いているものの、最終的に社会見学になったという話で、当初の目的は顧客からの依頼で、ベトナムでアパレルの製造ができる工場を探すために、バクザン省に日本人2人とベトナム人1名で出向しました。
友人に頼み、工場の責任者にアポを入れてからの訪問。会社概要をもらいましたが、よくあるベトナムクオリティーのデザイン(ロゴや人の顔が潰れているなど)のパンフレットだったため、規模感がわかりませんでした。
バクザンには工業団地があり、団地内にも大規模な縫製工場はありましたが、ほとんどの入居企業は外資系で、土地の値段は少し高くなるということ。今回訪れた工場はバクザンの中心地から、車で50分ほど田舎道を走って到着するような場所にあるので、そういった土地代を支払わないように、ローカルな場所に建設しているのであろうと思われる。
最初、侮っていたものの、巨大なアパレル工場の全容が明らかに

工場についたら、大きなゲートでストップがかかり、警備員に車内をチェックされる。ナメていたが、結構デカイ工場団地なんだなぁとか思いながら、友人に「この中のどこの工場とアポが取ってありますか?」と聞くと「これは一つの工場です」という返事。メガネをかけて、目を凝らしても、奥まで見えないような工場が1つの会社らしい。これはすごい…我々が来てよかったか、不安になってくる。
工場内になんでもある
5分ほど走っていると、工場内で野菜を作ったり、お店があったり、ATMがあったり、宿舎があったり、ほぼ街です。工場のゲート前では、市場が開かれています。
結果は惨敗、だけの「大人の工場見学」が始まる
車を止めて、工場内のオフィスに通される。中では翻訳者が何人もデスクに張り付いて、交渉などを行っていました。
結果から言うと、私達の1ヶ月の予算は2,000万円ですが、先方は1型7,000万円からの発注しか受けられないとのこと。「1型7,000万円なんてどこの会社が発注できるの!?」と聞くと「そうですね、そんなに多くはありません。ウォルマートやZARAなどです」との返答があり、納得。ここに来るまで2時間以上、残念ながら、ここで交渉は終わりに。
しかし、工場の責任者は気さくな人で、結果は惨敗でしたが、工場内を案内してくれました。また、下請けの工場なども紹介してくれました。

結果は惨敗でしたが、これだけ大きな工場、未だかつて来たことがない規模の縫製工場に興奮した日本人2名は、ハイテンションで工場見学をすることに。

工場の中の一つの建物に案内される。
すごく広い…目視でも写真でも、奥の壁が見えないほどに広い。奥の壁どころか、この建物の中心で休憩中の人がカラオケ大会をやっているのだが、そのカラオケ大会をやっている場所までも見えないほどです。
何分か歩き、ようやく壁が見えるほどの広さです。こんな建物がいくつもあります。ちなみに、この会社はこの工場と同規模の工場がもう一つあるそうで、新しい工場も建設中らしいです。
オバマのコートも作ってる「メイドインベトナム」

製造現場をいくつか紹介してもらい、次に通してもらった部屋はサンプルルームでした。1ヶ月ほどのサンプルが集められているそうですが、売り場かと言うほどの種類が置いてありました。
オバマ大統領の写真はその部屋にあったもので、オバマ大統領の着ている「WEATHERPROOFのコート」もここで作られたものだそうです。
メイドインベトナムの源流を見た
この工場で作っているブランド・メーカーも超有名企業ばかりです。ウォルマートやZara、トミー、リーバイス、カルバンクライン、H&Mなど、グローバルなアパレル企業の製品を製造しています。私達が普段着ている「メイドインベトナム」はここで作られているのかと、とても感動しました。
交渉に来たわけで、しかも交渉にも失敗したわけですが、とても良い経験になりました。JETROが知り得ないような、ベトナムの一面に触れ、ますますこの国のポテンシャルを知りました。2時間田舎道を走った甲斐がありました。